【大会の優勝旗や盾を手にする選手たち=伊賀市下友生で】

守備力生かし

 堅守を武器に初栄冠――。三重県伊賀市の中学硬式野球チーム「伊賀中央ボーイズ」が、2月下旬に伊勢市で開かれた「第9回日本少年野球沢村栄治旗交流大会」(10チーム参加)で初優勝した。勝ち上がり形式でなく、2日間のリーグ戦の失点率で順位を決める大会で、持ち前の守備力を裏付ける結果を残した。

 伊勢市出身の往年の名投手の名を冠した同大会は、東海と近隣のボーイズリーグのチームが対戦するもので、今年はコロナ禍で例年より参加が減り、10チームで開催。3回目の出場だった同チームは2日間のリーグ戦で京都南山城、飛騨高山、愛知瀬戸と対戦し、2勝1敗だったものの、10チーム中最少の計4失点だった。

 主将の前出佳輝君(崇広中2年)は「冬の間に取り組んできた体力づくりの成果。終盤まで集中を切らさず戦えたことが守備にもつながったと思う」と分析する。もちろん守備面だけでなく、下位打線の粘りやベンチや内外野での声掛けも好結果に結びついているという。

 大会最優秀選手にも選ばれた右腕・長田塁君(同)は初日の京都南山城戦に先発。先頭打者を出さないことを心掛け、直球やスライダーを武器に7回1失点と好投した。「守備のエラーも少なく、安心して投げられた」と振り返る。

 永浜春喜監督(57)は「これまで課題だった中盤や終盤の加点ができるようになった。言葉で言えば単純だが、『やればできる』『頑張ればできる』ということを選手たちに実感してもらえたのでは」と話す。チーム一丸でつかんだ優勝を自信に、選手たちは夏の選手権大会へ向け、更に武器を磨いている。

2021年3月27日付792号10面から

- Advertisement -