【保温バッグを持って出発する配達員=名張市木屋町で】

 昨年8月から、三重県名張市内の飲食店のメニューを宅配するサービス「ナバイーツ」を、アサネットワーク(同市木屋町)が中心部や住宅地などで運営している。長引くコロナ禍に「地元の飲食店を応援したい」という思いからスタートして半年余り、店舗と家庭、職場、地域を「手軽さ」と「安心」でつないでいる。

 昨春、新型コロナの感染拡大に伴ってテイクアウト(持ち帰り)営業に力を入れる店が増加。夏を前に、気温・湿度の上昇に伴って、衛生管理や販売スタッフの体調管理といった難問に直面するなか、新聞販売やライフサポート業を主体とする同社では、付き合いのある飲食店主や名張商工会議所などとデリバリー(宅配)事業の立ち上げについて話し合ってきた。

 和歌山県や滋賀県でのテストケースの価格設定や配送方法を参考にし、盆前に正式オープン。当初の3店舗から、現在は中華料理や喫茶、焼き肉など12店舗に増え、料理が冷めないよう片道15分を目安に、市街地や住宅地へバイクや車で配送している。

 祝いごとや年末年始など、家庭・地域でのまとまった需要だけでなく、「高齢者施設や企業などからも注文頂けたのはうれしかった」と、代表取締役の伊集基之さん(49)が話せば、マネージャーの福森康夫さん(51)も「大勢での飲食や遠出が難しい状況だからこそ、頼れるのは地元の店。メニューや味、サービスを知ってもらうきっかけに」と強調する。

 手数料は1店舗からの配達1回につき500円で、注文時に配達希望時間帯を伝える。ウェブサイト(https://nabaeats.com/shop/html/)からの注文(現在は代金引換のみ)と、年配者にも注文しやすいよう、各店への電話注文も可能に(ウェブのみの店も有り)。3月には加盟店の全メニューリストをエリア内に配布する予定だという。

 同社では昨秋から、大型店・大手チェーンなどの商品を中心に扱う「出前館」の配達代行サービスも手掛けており、伊集さんは「自分たちが培ってきた土地勘や地元のつながりと、配達代行で得られるノウハウや経験も生かしていきたい」と展望を話す。2人は「暮らしが便利になり、皆が笑顔になれるデリバリーの利用に“チャレンジ″してみて」と呼び掛けた。

 同社では加盟店も募集中。

 問い合わせは同社(0595・63・8939)まで。

2021年2月13日付789号10面から

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