【テープカットの様子=伊賀市西山で】

 昨年4月、傾斜地に広がる棚田が「国指定棚田地域」となった三重県伊賀市西山でこのほど、地域住民らが手作りした展望公園が完成した。2月28日には竣工式と安全祈願祭が開かれ、設置工事などに汗を流した地域住民ら約50人が公園の完成を祝った。

 日本各地にある棚田の機能維持や地域の発展につなげるための棚田地域振興法が2019年8月に施行され、県内では「西山の棚田」が「丸山千枚田」(熊野市)と同時に指定された。西山は計約26万平方メートル、500枚ほどの棚田が対象で、国から維持管理や環境整備のための補助金が交付される。

展望公園から見た西山の棚田の一角

 伊賀市北西部に位置し、221世帯466人(21年1月末現在)が暮らす西山は高齢化率が50%を超す。地元関係者によると、棚田は江戸時代から使われてきたと伝わり、1953(昭和28)年の通称「二八災害」で流出し、その後に復旧した棚田を今も守り継いできた。しかし、中山間地域直接支払交付金の対象でなく、近年は耕作放棄地も増えていたという。

 展望公園は、集落西部の河内谷川沿いの棚田を一望できるヒノキ林の中にあり、広さは約300平方メートル。昨年11月から、地域住民らが可能な限り廃材や不要な材料を持ち寄り、地権者の賛同を得て整地や東屋の建設などを進めてきた。

 この日の式典では、元区長で「西山ふるさと保全会」顧問の重倉成則さん(77)が「棚田には多様な生物が暮らし、大雨の時も保水力を発揮するが、高齢化も進み、急傾斜地に小さい田が連なる棚田の維持管理や米作りには手間暇もかかる。多くの方のご協力で荒れていた田を修復し、公園も整備でき、指定を受けることができた」と謝辞を述べた。