身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。今回は、伊賀市西端に位置する島ヶ原からJR関西線に沿って、隣接する南山城村までの約9キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 道の駅から大河原駅方面へ国道163号を歩く】

 1月中旬、出発地点のJR島ヶ原駅へ。この日午前9時の伊賀市の気温は1・6度でした。まずは駅前の旧国道163号を南西へ。葉の落ちたシュロがトーテムポールのように存在を主張し、畑の木にはユズの実がなっていました。

歩道橋から信号機が間近に。奥の花壇には「大和カイドウ」とあった

 国道と交差する「町」交差点へ差し掛かり、歩道橋へ。すぐ脇にある信号機の意外な大きさに驚きました。至近距離で信号機の裏側を見たのは初めてかもしれません。交差点脇のしずく形の花壇には、芝か何かで「大和カイドウ」の文字が浮かび上がっていました。

島ヶ原・山菅集落の西端付近

 ここからは上りが続きますが、体が温まってむしろ好都合。途中の土手の上に「右岩谷山役行者」と刻まれた石柱を発見。国道脇にある行者堂へと案内しているようです。かつて「大和街道」と呼ばれた歴史ある道を歩いていきます。

山菅集落にある関所跡

 道が平坦になってほどなく、島ヶ原の山菅集落に入りました。集落を一望しようと思い、高台の広場に上がってみたものの、東西に細長いため難しいようです。竹やぶの中にヤツデの大きな葉を見つけ、消防ポンプ庫脇の防火水槽の氷を指で触っていると、「関所跡」にやってきました。

山菅集落の西端にある「二本杭」

 現地の説明書きによると、江戸末期の文久年間(1861年から64年)に当時の藤堂藩が関所を設けていた場所だそう。道はここから下りになり、いかにもひと山越えて違う町に来たかのようです。集落が途切れる所には「従是東伊賀國」「従是西山城國」と刻まれた2本の石柱、その名も「二本杭」が立っていました。

県境を越え、北大河原の今山集落へ。月ケ瀬口駅方面へと下っていく

 道幅が狭まり、少し苔むした林間を下っていくと、南山城村北大河原の今山集落へ。坂を下っていくと高い所にある月ケ瀬口駅のホームが近付き、線路をくぐると、2017年春に開業した道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」の前に出ます。後ろの山手には、南山城小学校のカラフルな校舎も見えます。

今山長春サークルの花壇

 信号交差点から坂を上り、月ケ瀬ニュータウンへ。中央には商店街が形成され、南側は特に見晴らしが良いようでした。国道に戻り、西へ向いて歩を進めると、少しの間ですが歩道の無い区間があります。大型車の通行も多く、肩のカメラや前後の車を気にしながら急ぎ足で進みました。

大河原駅の少し東にある南山城村役場(右)

 16年夏に開通した北大河原バイパスと分岐する旧道へ。JR関西線をくぐる短いトンネルを通っていると、頭上でディーゼルカーの通る音が。運行時刻は調べていなかったので、少し待てば写真が撮れたのに、と悔しく感じました。

大河原駅で購入した乗車券

 集落内を通り抜け、北側の山中にある野殿・童仙房への道が分かれた先に、村役場がありました。伊賀盆地から続いてきた、広く穏やかな木津川の流れを眺めながら、出発から約2時間半で大河原駅に到着しました。歩数計は1万1860歩でした。帰途はJR関西線に乗車。2時間半かけてやってきましたが、約10分で島ケ原駅へ戻りました。