【北畠素子さん】

 三重県名張市桔梗が丘8番町の北畠素子さん(74)が制作する創作人形。空き家を改装したギャラリーには、約200体が所狭しと並べられている。

 幼いころからものづくりが好きで、15年前、著名な人形作家が手掛ける作品に感銘を受け、退職後の楽しみとして本や写真集などを参考に独学で作り方を学んだ。1か月に1体のペースで和服の少年や「三国志」の登場人物などを制作。5年ほど前からは、同市に住んでいた両親の家を改装し「MOTOKOギャラリー」の屋号で展示会なども企画してきた。

 着物の柄からキャラクターをイメージし、針金の骨格に布を巻いて形を作る。服に使う古布や切れ端などの材料は、地元の人から使わなくなったものを譲ってもらえるそうで、「周りの人の支えがあってこそ」と笑う。

 最近は、椅子に座った子どもの人形がお気に入りで、完成した一つひとつに名前を付けているという。「作っている途中で満足にいかない時もある。これからもひたすら、納得がいくまで作り続けたい」と話した。

2020年12月26日付786号3面から

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