創部1年で全国の大舞台へ―。昨春創部したばかりの神村学園高等部伊賀(伊賀市北山)女子ソフトボール部が、昨年秋に開かれた県新人大会で初優勝し、今年3月20日からの全国選抜大会への出場を決めた。県外他校からの転入生7人を含む12人という少数精鋭だが、年代別日本代表チーム入りや全国大会の経験がある選手もおり、高い打撃力を武器に早くも旋風を巻き起こしている。【昨年11月の東海大会2回戦・対多治見西で攻撃前に気合を入れる神村学園高等部伊賀の部員たち=松阪市山下町の市総合運動公園で】

 単位制・広域通信制の高校として2017年に開校し、学習とスポーツを両立する「全日型特別能力コース」として女子サッカー、男子硬式野球のコースを設けており、昨年4月から女子ソフトボールのコースも加わった。新型コロナの影響で5月まではチーム練習ができなかったが、6月の本格始動後は平日2、3時間の練習、週末は近隣校や社会人チームとの練習試合もこなしてきた。

 特徴的なのは、大学や社会人の大会で使用する革ボールを多用した練習だ。日本女子1部リーグ・デンソーなどで指揮を執っていた森澤隆行監督(54)は「卒業後の選手生活につながるよう、高校年代から革ボールに慣れさせることは大事」と話す。練習には3年生3人も加わり、後輩たちの力になっている。

 17校が出場した県新人大会は創部後初の公式戦。主将で捕手の池上桃花さん(2年)は「相手チームのことが分からない不安の中でも、『試合を楽しもう』という気持ちが皆強く、しっかりバットを振れていた」と振り返る。トーナメント4試合で計38得点を挙げた打撃・走塁もさることながら、失点は決勝の3点のみと、投手力・守備力も光った。

 県1位代表として挑んだ11月中旬の東海大会は初戦をものにし、準決勝では全国上位常連の多治見西(岐阜)に終盤突き放され6‐1で敗れたものの、創部初年度で東海3位タイの成績を残した。

 ユニホームは全国大会常連の本校・神村学園高(鹿児島県いちき串木野市)と同様だが、伊賀らしく「伊賀」「忍」の文字や金の手裏剣の刺しゅうが施された。伊賀の女子サッカー部は創部1年目に8人だけで県大会を優勝し、今年度は全国大会に初出場するなど旋風を巻き起こしている。

 県内出身者は3人で、ほとんどの部員は寮生活を送る。個性豊かなメンバーをまとめる池上さんは、今春の全国大会に向け、「初出場でも優勝を目指して、自分たちのチームの持ち味を出せれば」と抱負を語った。

黒のサブユニホームを着た部員たち

2021年1月16日付787号1面から

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