半世紀にわたってフクロウを題材に描き続け、2019年2月に81歳で死去した伊賀市霧生の画家、上田保隆さんの遺作展「抽象の時代から伊賀者の化身まで」(伊賀市文化都市協会主催)が1月19から24日まで、同市西明寺の市文化会館で開かれる。入場無料。【出品する上田さんの遺作と次男の慎二さん】

 上田さんは霧生に生まれ、青年時代は大阪で画家に専念。40代前半に地元に戻った後は、フクロウと伊賀者である自身を重ね合わせた心象風景を描いてきた。生家を改築したアトリエで創作活動に励む傍ら、三重県洋画協会会長や二紀会三重支部長を務め、短大などの教壇にも立ち、美術教育に力を注いだ。

 次男で造形作家の慎二さんによると、題材としたフクロウは時代とともにデフォルメされながら、晩年は形や顔つきも変化し、眼光鋭い攻撃的なものから柔和な感じになってきたという。遺作展は「作家としての姿の締めくくりとして見てもらいたい」と作品展開催に意欲を燃やしていた矢先に亡くなった父の志を継いだものだという。

 期間中は同会館ホワイエや多目的室などに、縦約3メートル、横約2メートルの大作を始め、大阪時代の作品やスケッチ、焼き物などの他、手書き原稿や愛用のパレットなどの遺品も並ぶ予定。

 慎二さんは「作品を整理しながら父との記憶をたどり、いろいろなことを思い出した。好奇心旺盛で人とのつながりを大事にし、面倒見も良かった。伊賀を、霧生を愛した作家がいたことを見てほしい」と話した。

 時間は午前9時から午後7時まで。

 問い合わせは同協会(0595・22・0511)へ。

2021年1月16日付787号4面から