身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。2021年も不定期ではありますが、伊賀地域と近隣を歩き、その風景などをお伝えしていきます。今回は、名張市南東部の長瀬から津市美杉町太郎生にかけての名張川沿い約6・5キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真=長瀬の名張川左岸土手に立つ2本の木が黄と赤に色付いていた】

 名張川の比奈知ダム上流に位置する長瀬は国津地区の一部で、毎年多くの人が訪れるアユ釣りの人気スポットになっています。昨年11月中旬のある日、午前9時半に三重交通バス木之平橋バス停前を出発。雨上がりに晴れ間がのぞいていました。

色付く「弁天のもみじ」

 まずは橋を渡って右岸を進みます。近隣を早くからウォーキングしていたのか、地元の方が4人ほど家々に帰っていきました。行く先を眺めると、遠くに倶留尊山(標高1037メートル)の頂部が見えます。川の堤に並んでいるのは桜の木でしょうか。

境内が色付いていた長瀬の國津神社

 横矢橋からは、国道368号と川に挟まれた場所に立つ、7本ほどの通称「弁天のもみじ」が見えます。以前取材した際には、昭和初期に参宮鉄道(現・近鉄)の開通記念にもらい受けた苗木が育ったもので、国道拡幅工事の難も地元の要望で逃れたと聞きました。

名張川に架かる木の橋を渡って対岸の集落へ

 県道蔵持霧生線と合流して新長瀬橋を渡り、取材時にはモミジとイチョウの紅葉が見事だった國津神社へ。参道を歩いてきた方が「良い頃合いですよ」と親切に教えてくださいました。

上長瀬國津神社付近から名張川左岸の集落へと渡る古い吊り橋

 旧長瀬小の裏手から再び国道に出て、名張川に架かる幅50センチほどの木橋を渡り、上長瀬の集落へ。上長瀬國津神社の先のカーブを曲がり、対岸の集落へと続く吊り橋を渡ります。主のいない民家の庭先にも、黄色が鮮やかすぎるくらいのイチョウの大木が元気に育っていました。

周囲には何もない「大戸屋口」のバス停

 再び国道に戻ってしばらく進むと、林の中にコンクリートの囲いだけが残る「大戸屋口」のバス停。かつては、東側の山中にある上長瀬の大戸屋集落へと続く道があったそうですが、山肌に木々が倒れた細い沢筋だけが見えました。

下太郎生バス停付近の橋から北側を望む

 津市との境が近付いたころ、川岸に下る小道を発見。対岸への橋があった痕跡の橋脚だけがあり、下流方向を眺めて小休止。砂地にはシカらしき足跡もありました。津市に入り、最初は下太郎生の飯垣内集落が見えてきました。地図にも載っている日神石仏群へは、国道から1・5キロの山中にあるようです。

今回のゴール地点・下太郎生バス停から川上を望む

 帰りのバスまで時間があるので、更に先へ。連続するカーブを抜け、尼ヶ岳(957メートル)や大洞山(1013メートル)方面への倉骨林道が分岐する下太郎生のバス停前に到着したのは、出発から約2時間半の正午ごろ。歩数計は1万1073歩でした。

※写真は2020年11月中旬と21年1月初旬に撮影しました