素材や作り方で、可能性は無限大―。伊賀市千戸の染織作家、浮田みどりさん(57)=写真=による「フェルト展‐増殖‐」が、1月10日から17日まで同市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」で開かれる。入場無料。

 布を織る楽しさに出会ってから、趣味で織物を続けていたが、さまざまな技法を本格的に習おうと、2000年に京都造形芸術大の通信教育部へ入学。染織コースで学び、卒業後は県展や都市圏でのグループ展などに出展を続け、創造的な作品を生み出してきた。

 近年は、縦糸・横糸で組む染織とは異なり、「自由さが魅力」というフェルト作品が中心。羊毛を糸につむぐ作業は山添村の「羊毛館」へ習いに行き、染織せず羊毛自体の色を生かして制作するのが特徴的だ。人間を始めとした生物、生命や生態系、変化し続ける細胞などに思いを巡らせて表現している。

 今回は、つるすと3メートルほどになる大作も含め10点前後を展示予定。現在地に住んで30年ほどになるが、伊賀地域での個展は初で、「『近くなら見に行きたい』という声を頂いていたので、気軽に足を運んでもらえたら」と話していた。

 時間は午前11時から午後5時まで。問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)へ。

2020年12月26日付786号1面から

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