コロナに負けぬ

 伊賀地域の県立高校4校(上野、伊賀白鳳、名張、名張青峰)の美術部による合同展「第16回伊賀地区高校美術展(通称・KNIT展)」が、12月19日から21日まで伊賀市内で開かれる。通常は夏休み中の開催で、今年は新型コロナウイルスの影響で一時は延期すら危ぶまれたが、4校の部員たちが協力し、開催にこぎつけた。【作品を持ち寄る名張青峰高の部員たち】

 例年、春から同展のために作品の制作に入るが、今春は感染拡大防止のため休校期間中。6月から授業は再開されたが、部活動の時間は確保できず、同展だけでなく他の展覧会への参加も考えられなくなっていった。

 3年生にとっては活動の集大成で、1、2年生もそのために力を合わせ「皆が成長できる機会」と捉えてきた。4校での夏合宿もかなわなかったが、生徒実行委員会では「大切な機会を失いたくない」と、実現に向けて模索し始めた。

 夏休みが明け、イベントなどの開催に向けた機運が高まりをみせると準備は本格化したが、例年とは何もかもが異なる手探りの状態。地元の企業・店舗などに依頼してきた協賛金には頼れないため、小規模な会場に変更し、合同で作成していた冊子も各校手作りの目録になった。

 また、搬入時の密を避けるため、会場での作業人数や時間帯は細かく設定した。出展作品も、例年なら100号のキャンバスを使用した大作もあるところを、30号から50号までを各校2点の計8点と、代表以外は10号の小作品にとどめたという。

 マイナスに捉えがちなことが多い中でも、来場者には少しでも楽しんでもらおうと、当日は「マスキングテープアート」を企画。順にテープを貼っていくと最終日には1つのアートとして完成するという新たな試みで、副実行委員長の近藤ひなたさん(名張青峰高1年)は「各校で相談し、全体で話し合って決めた自信のアイデア」と期待をのぞかせる。

 会場は伊賀市上野東町の「うえせん白鳳プラザ」で、午前10時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。実行委員の一人、同高1年の井上楓さんは「4校の部員の熱い思いがいっぱい詰まった作品が並ぶので、楽しんで元気をもらってほしい」と語った。

 問い合わせは名張高の山口教諭(0595・63・2131=代表)まで。

2020年12月12日付785号1面から

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