安全確保の受け皿拡充 伊賀児相「とても心強い」

 社会福祉法人「名張厚生協会」(増井明理事長)は12月1日、身体的・心理的虐待やネグレクト(育児放棄)を受けた子どもなどを一時保護する専用施設「のぞみ」を名張市朝日町に開所する。子どもの安全を確保する受け皿を拡充し、きめ細かな心のケアを目指す。【一時保護専用施設「のぞみ」の玄関前に立つ繁田施設長=名張市朝日町で】

 同法人が運営する伊賀地域唯一の児童養護施設「名張養護学園」に隣接し、2015年まで使われていた鉄筋コンクリート造2階建ての同学園の旧園舎を改修した。専用施設の延べ床面積は278平方メートルで、個室やリビング、浴室などを備える。

 共働き世帯の増加など家庭環境の多様化や、地域との関わりの変化を背景に、児童相談所を通じて一時保護される子どもは増加傾向にある。県内では津市と四日市市、鈴鹿市に一時保護のための専用の施設があるが、これまで伊賀地域にはなく、長期間入所する子どもたちが暮らす同学園で一時保護も受け入れてきた。

緊急の保護を想定し、さまざまなサイズの衣類を収めたケース=同

 一時保護の対象は、おおむね2歳以上18歳未満で、期間は原則2か月以内。同学園では19年度に延べ49人(前年度比14人増)、20年度は10月末までの7か月間で延べ35人が利用した。専用施設設置によって常に一時保護の場が確保され、よりきめ細やかな対応ができるという。

 「のぞみ」の定員は4人で、他に市町と契約する子育て短期支援事業で2人を受け入れる。異性間トラブル防止と他地域の専用施設とのバランスから男子に限定し、女子の一時保護は同学園で引き続き受け入れることとしている。

 同学園の繁田進太朗施設長(46)は「人の温かみに触れ、子どもたちがほっと安心できる場にしたい」と話す。11月28日の内覧会を訪れた県伊賀児童相談所(伊賀市四十九町)の藪岸加寿子所長は「今までは津市まで走ったり、名張養護学園さんにご無理をお願いしたりしていた。今回、一時保護専用施設を作って頂いたことはとても心強い」と話していた。