名張市鍛冶町の蛭子神社で毎年2月7日と8日に開かれる商売繁盛を願う「八日戎」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来年は中止になった。縁起物の授与など多くの人が集まる催しを取り止め、神事のみ関係者で執り行うという。【今年の八日戎で縁起物を手渡す福娘ら(2020年2月7日撮影)】

 11月24日にあった神社と町の役員らの集まりで協議し、決まった。氏子総代の山村紀生さん(79)は「規模を縮小してでも開催できないか考えていたが、第3波と言われる状況で、不特定多数の人が集まる催しは感染対策が難しい。寂しいが、苦渋の判断をした」と話した。

 八日戎は約300年続くとされ、名張に春を呼ぶ祭りとして親しまれてきた。十数年前からは選考会で選ばれた和服姿の「福娘」が、両日とも参拝客に吉兆(けっきょ)と呼ばれる縁起物を手渡してきた。七福神の舞の奉納や、はまぐり入りかす汁の振る舞いなどもあり、例年は2日間で約3万人の人出があったという。

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