父は日本画、母は造形で

 心の内を描いた、書き直しの無いボールペン画の世界―。名張市梅が丘南の日本画家、山本實さん(68)、弥生さん(66)夫妻と次男の渉さん(36)による3人展が、11月20日から24日まで開かれる。精神疾患や体の不調と向き合いながら創作に取り組んできた渉さんは「何かを感じ取ってもらえたら」と期待している。【出展作品を紹介する(左から)弥生さん、渉さん、山本さん=名張市梅が丘南で】

 小さいころから、手元にあるメモ用紙にお気に入りのボールペンで落書きのようにイラストを描いていたという渉さん。以前から、市内の地域活動支援センター「ひびき」に通所。昨年、頸部脊柱管狭窄症を発症後は歩行にも支障を来し、箸を持てないほど手を自由に動かせない状態になっていた。

ほぼ無着色

 今年5月に手術を受け、「ようやく徐々に動かせるようになってきた」のを機に、家族で3人展を開くことに。渉さんは「17才」「自画像」という題名の作品など、ほぼ無着色のA4からB3サイズの二十数点を展示予定。数年前に描いたものもあるが、ほとんどはこの3、4か月間に描いたものだという。

 山本さんは家族をモチーフに、過去に描いた日本画「Yの肖像」など10点、弥生さんも家族の肖像画や、ホオの葉に着色した「朴葉遊び」、木や粘土を用いた造形作品など十数点を展示する予定だ。

 「山本實・弥生・渉家族三人展―not alone(ひとりじゃないよ!)―」は名張市元町のリバーナホール(イオン名張店3階)で。入場無料。時間は午前11時から午後6時(最終日は同4時)まで。展示品の一部はチャリティー販売し、売上の一部は三重県精神保健福祉会に寄付する。

2020年11月7日付783号10面から

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