江戸時代からの城下町の面影を残す伊賀市中心市街地の建物を改修し、11月1日に一部施設がオープンする分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL(ニッポニアホテル)伊賀上野城下町」の内覧会が10月23日開かれ、客室などが報道機関に公開された。【湾曲した2本の梁を生かし土蔵を改修した「KOURAI」の客室の寝室部分=伊賀市上野農人町で】

 1日にオープンするのは全3棟のうち、最近まで文化施設として使われてきた木造2階建ての旧旅館「栄楽館」(上野相生町)と、5年ほど空き家になっていた平屋の町家・旧廣部邸(上野農人町)。残る1棟、元建材屋の旧福森邸(上野幸坂町)は来年3月までにオープン予定。空き家の利活用を進める市と、歴史的建造物の利活用などに携わるバリューマネジメント(東京都)、NOTE(兵庫県丹波篠山市)が共同で整備を進めてきた。

(左)KANMURI棟の客室一例(右)倉庫を改修したKOURAI棟の客室

 栄楽館はフロントやレストラン、3つの客室を備えた中心施設として「KANMURI(かんむり)」と命名。レストランでは伊賀牛や伊賀米など地元の食材を使ったランチ、ディナーが楽しめる。母屋と土蔵、倉庫を改修して3室を設けた廣部邸は、伝統工芸・伊賀くみひもの代表的な組み方「高麗組」から「KOURAI(こうらい)」と名付けられた。両棟は上野天神宮(菅原神社)を挟んで約500メートル離れた位置にあり、ともに秋の「上野天神祭」では鬼行列やだんじりが目の前を通る。

(左)KANMURI棟外観(右)KOURAI棟外観

 2人1室の料金は素泊まり2万円から4万円、ランチは1人4800円、ディナーは同8000円と1万2000円(いずれも税別)。同ホテルスタッフによると、11月は既に「GoToトラベル」などを利用した予約が順調に入っているという。

市民向け内覧会 11月15日

 同ホテルの市民向け内覧会が、11月15日午後1時から同3時まで開かれる。参加無料、申し込み不要。見学できるのは完成済みの2棟で、感染防止のため、来場者はマスクを着用。混雑時は入場を制限する場合がある。内覧会用の駐車場は設けていない。

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