伊賀市の市街地周辺に住む住民らの任意団体「うえのまちまちづくり協議会」が10月1日、適切な管理が行われていない“空き家状態”の市役所旧庁舎に対し、利活用方針が決定し使用開始までの間に実施するよう求める3点の案を提言書にまとめ、岡本栄市長と市議会の近森正利議長に手渡した。【提言書を手渡す菊野会長(左)=伊賀市役所で】

 2005年2月に発足した同協議会は良好な街並み形成や住環境の整備改善など、行政と協力しながら推進することを目的に活動。合併前の02年に設置された「上野市まちづくり委員会」の委員が中心で、現在は中心市街地にある住民自治協議会の代表者ら16人で構成している。これまでに道路の美装化や広場整備、武家屋敷改修などの事業でワークショップを開いたりしてきた。

 提言書では、市文化財に指定され建設から50年以上経つ旧庁舎を当面の間利用する策として▼劣化が進まないよう防水工事やひび割れ補修などの早期実施▼夜間の電飾設置や窓面へのアート展示、アトリエや工房として作家への開放▼大規模災害時に避難できるよう想定した整備の3点を提示。菊野善久会長は「まずは一日も早く利活用策を打ち出してほしい。(決定までの間も)有効に使えば街の活性化になる」と訴えた。

 提言書を受け取った岡本市長は「行政にとって力強いサポートだ。皆さんの思いを解決のパワーにしたい」と話した。旧庁舎の利活用を巡っては市と議会が対立。2日が最終日の9月定例会では一般会計補正の中に関連予算計約1700万円が盛り込まれている。

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