新潟市で9月12、13日に開かれた日本学生陸上競技対校選手権(日本インカレ)の三段跳で、近畿大学工業高等専門学校(名張市春日丘)5年の伊藤陸さん(20)(菰野町出身)=写真=が、昨年マークした20歳以下の日本記録を更新する16メートル35で連覇を果たした。次は10月1日からの日本選手権(新潟市)に向け、調整を続けている。

「東京五輪も目標に」

 大学1年に相当する学年で挑んだ昨年の大会で、42年ぶりに同記録を更新。身長187センチの体格を生かした、スピードのある助走とダイナミックな跳躍を武器に、日本オリンピック委員会の強化指定選手にも認定され、今年7月の20歳以下世界選手権(ケニア)を目標としていた。

 しかし新型コロナの影響で、6月までの約4か月間は大会や記録会が開かれない事態に。学校はリモート授業となり、練習も目先の大会を見据えられない状況が続いたが、「(大会が再開される)7月以降の試合でしっかり結果を出すため、モチベーションを下げずに取り組もう」と、持ち前の精神力でトレーニングを続けてきた。

 例年の大会では、前半3回の試技の上位8人が決勝(後半3回)に進めるが、今年は前後半2回の計4回しかチャンスが無かった。先にあった走幅跳で3位(7メートル75)に入って調子を上げ、三段跳は1回目で16メートルを跳んで決勝へ。結果的に16メートル台を記録したのは出場選手中ただ1人だったが、3、4回目は自身も納得のいく跳躍で記録を伸ばした。

 「自分と同じように、試合に飢えていた全国のトップ選手たちとの交流も改めて刺激になった」と充実感をかみ締める伊藤さん。昨年初参戦したシニアの大会が来年からの主戦場となるが、「1年延期になった東京五輪も目標の一つとして、プラスに考えて準備したい」と話した。

2020年9月26日付780号2面から

- Advertisement -