限られた状況で、自分たちのできることをやろうー。上野高校(伊賀市上野丸之内)吹奏楽部の定期演奏会が8月10日(月)午後1時半から開かれる。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会場での観覧は保護者・関係者に限定し、一般向けには動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信する。【パート別に練習する部員たち=伊賀市上野丸之内の上野高校で】

コロナ禍も可能性探る日々

 本来なら5月23、24日に市文化会館(同市西明寺)で、ギター・マンドリン部と合同で24回目の定期演奏会を開催予定だった。いったん8月下旬に延期したが、通常の演奏会が開ける段階にはなく、部員たちは可能性を探る日々が続いていた。

 3年生の集大成となるはずの県吹奏楽コンクールが中止となり、新年度の活動は感染予防のため全体での合奏も困難。士気を保つのが難しくなるなか、5月中旬、自宅で演奏できる部員が中心となり、「紅蓮華」(LiSA)、「うちで踊ろう」(星野源)などを〝テレワーク演奏〟し、ユーチューブにも掲載した。

上野高校吹奏楽部の部員たち(提供写真)

 部長の北川歩実さん(3年)は「部活ができなくても、できることがある。気持ちを切らせたくなかった」と振り返る。「テレワーク演奏の動画を見て、救われた」と話すのは、活動方法を模索していた顧問の西田優樹教諭(41)。「個人やペアでの練習が増え、個々のレベルは上がった」と、思わぬ成果もあった。

 1部は「シング・シング・シング」「オブラディ・オブラダ」など、2部の3年生ステージは「明日も」(SHISHAMO)など、3部は「宝島」「銀河鉄道999」など計12曲を演奏予定。配信は約2時間の予定で、 視聴は同サイトで「うえすい男子パート」と検索。 アルトサックスを担当する北川さんは「最後に地元のホールで合奏できる喜びを改めて感じながら演奏したい」と思いを語った。

2020年8月8日付777号20面から

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