名張市の風農園は7月11日、今年から本格的な栽培に取り組んでいる小玉スイカを初めて出荷する。代表の田上堅一さん(46)は「県内で例は少ない。名張の新たな特産品にしていきたい」と話す。【収穫間近となった小玉スイカを手にする田上さん=名張市鴻之台4で】

 同市鴻之台4の約1000平方メートルのビニールハウスで、地上約1メートルに設置したプランターに苗を植える「空中栽培」を採用。与える水や液体肥料の量を細かく調整でき、地面に植える場合よりも甘さや大きさなど品質を一定に保つことができるという。約3メートルに伸びるつるを支柱やワイヤで保持し、ネットに入れた実が宙にぶら下がるように育てる。

 風農園では、冬に大粒のイチゴを生産。同じ設備を利用して夏に栽培できる小玉スイカに着目し、2年前から県の指導を受けつつ試験栽培に取り組んできた。
 
 今年はハウス内に「愛娘」と「ピノガール」の2品種計約640株を植え、1株あたり実が2つになるよう摘果。重さ約1・3キロ、糖度12・5度以上を基準に、約1200個を収穫する見込みだ。ピノガールは種が通常の4分の1ほどのサイズになる品種で、そのまま食べても気にならないのが特徴だという。

 田上さんは「当たり外れがなく、付加価値の高いスイカ作りに取り組んでいる。来年以降は生産量をどう増やしていくかが課題だが、好きなものを夢中になって育てるこの仕事に、やりがいを感じている」と語る。

 1個の価格は税込みで愛娘が1200円、ピノガールが1500円。風農園直売所(東町)で販売する他、市のふるさと納税返礼品にも追加されている。

 問い合わせは風農園(080・5158・3576)まで。

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