身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。梅雨の時期はウォーキングやランニングのできる日が少なくなりますが、晴れ間がのぞいた時には、感染症と熱中症の予防に気を配りながら、身近な場所を巡ってみてはいかがでしょうか。今回は、伊賀地域に隣接した山添村の北東部約8・7キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 八柱神社がある高台から遅瀬の集落を望む】

 東海地方の梅雨入りから1週間、好天に恵まれた6月17日、午前9時すぎに、真新しい山添村役場前をスタートしました。まずは大西の家並みを抜け、歩行者・自転車専用道で名阪国道をくぐり、特産物直売所「花香房」への入り口を過ぎて坂を下ります。若竹のように伸びたイタドリを見上げていると、葉の裏ではカタツムリが次の雨をじっと待っていました。

大西から西波多へ向かう道
西波多下津の吉備津神社

 巨石と巨木に守られているように鎮座する吉備津神社を訪れ、西波多の下津集落へ。道路脇をサツキやアジサイなどがカラフルに彩っています。遅瀬川を渡ってT字路を東へ折れ、足元に転がる梅の実に気を取られていると、急に道が細くなっていました。林の中では、ダイモンジソウなどに似たユキノシタの白い花が目に留まりました。

アジサイなどが咲く西波多下津の集落
道端にユキノシタの小さな花

 ウグイスが「ホケキョ」と鳴く林間をしばらく進み、出発から約1時間で遅瀬の集落が見えてきました。川の南岸を進むと、畑にはカボチャの黄色い花となりかけの実が並んでいます。縦に連なって泳ぐ4匹のコイを遠めに眺め、地図には「中南寺跡」とある公民館を過ぎると、集落の東半分を一望しながら坂を下っていきます。山手にある八柱神社で振り返ると、遠くに青山高原の風車群も望めました。

水田や畑が広がる遅瀬の西部
地図には「中南寺跡」とある公民館付近

 集落を後にし、国道25号にかかる五月橋のたもとへ。奥には今春供用を開始した新しい橋がかかり、手前にある1928年竣工の旧橋は解体が進み、路盤が既に撤去されていました。ここからはゴールまでほとんどが上り坂です。国道を南へ約30分歩くと、神波多神社のある中峰山へ。南側の山手に水田が広がる広代、春日を抜け、小学校から聞こえる子どもたちの声に元気をもらい、流れ続ける汗をぬぐいながら足を動かしました。

解体が進む五月橋の旧橋(手前)。左奥が新しい橋

 出発から約3時間、正午すぎに役場前へ到着。歩数計は1万4030歩でした。役場前へは、伊賀市の上野市駅から国道山添行きの三重交通バスで約30分(大西バス停下車)です。