ドッグショーで犬のエスコートを担い、特長をうまく引き出して審査員にアピールする「ハンドラー」。伊賀市上神戸の菊田海優さん(13)=写真(提供)=はジュニアハンドラーとして数々の成績を収め、活動を海外へと広げている。

ワールドショー延期も特訓励む

 菊田さんは市立上野南中学の2年生。小学5年の時、レークランドテリア種の「リラ」(雌)と「ユア」(雌)の2匹を飼い始めた。その際、ブリーダーでもあり、ジャパンケネルクラブが主催するドッグショーに参加している父親に誘われたのがきっかけだ。

 リラが生後9か月になると、一緒に歩く練習を始めた。最初は言うことを聞いてくれなかったそうだが、毎日根気強く繰り返すうち、気持ちを理解してくれるようになったという。練習を始めて間もなく、気軽に参加したドッグショーで、優勝となる「第1席」に輝き、周囲を驚かせた。

 6年生になると「本格的にやってみたい」とジュニアハンドラーになることを決意。基礎を重視し、一から学び直した。夏休みに山梨県で開かれたセミナーに参加したのを機に才能が開花。数々の大会で第1席に輝き、頭角を現し始めた。

世界大会でのスナップ(同)

 昨年3月、地区予選で稼いだポイントで参加できる国内最大の大会で、中学1年までのジュニアクラスに出場し優勝。更に高学年のシニアクラスやスペシャルクラスの優勝者で世界大会「クラフツ2020」ジュニア部門への参加資格を競い、歴代最年少の快挙で出場権を獲得した。

英会話も勉強

 世界大会出場に向け、1年かけて技術を磨き、英会話も勉強。今年、英国バーミンガムで開かれた大会では、パートナーとなる犬と開始1時間前の30分だけの練習にもかかわらず、息の合った歩調をみせ、39人中の上位10人に選出された。最終戦では新たなパートナーとなったゴールデンリトリバーと意思疎通がうまくいかず、思うような成績が残せなかった。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で延期にはなっているが、スペインで開催予定の「ワールドショー」への参加権利を得たため、今は出場に向け特訓に励んでいる。

 現在の相棒は生後6か月から組んだ、レークランドテリア種の「アジー」(雌)。レベルアップのため、扱いが難しいとされる大型犬種・サルーキの「アパッチ」(雄)とも練習を積んでいる。

 「海外のいろいろな人から『犬を引いて』と頼まれるようなハンドラーになりたい」と話す菊田さん。「でも、テリア系の犬が大好き」と中学生らしい笑顔を見せた。

2020年4月25日付 770号 1面から

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