俳優の橋爪功さんが代表を務め、東京を拠点に活動する「演劇集団円」に所属する女優、庄司悠希さん(35)=写真=は、名張市すずらん台出身。30代に入ってからの思い切ったチャレンジを、家族や友人たちも応援している。

32歳から上京し養成所通い 達成感がやりがい

 北中学校では柔道部に所属し、名張西高校から進学した短大を卒業後は、地元企業に就職。転勤で奈良県内に住むようになった27歳の時、通っていたライブカフェの舞台に立ち、歌声を披露するようになった。

 29歳で結婚した後に退職し、音楽は続けていたが、「もっと広がってできることをしたい」と考えていた。そんな時、「俳優養成所に行こう」と思いついたという。演劇は全くの素人だったが、夫の後押しもあり、32歳の時に同劇団の養成所のオーディションを受けるため上京した。

 合格後は都内で“単身赴任”しながら養成所に通った。周りは演劇の経験が豊富で、一回りほども年下の仲間たちばかりだったが、「無理だったら帰ればいい。1年だけやってみよう」と開き直って勉強に打ち込んだ。演出家の厳しい指導も、社会経験があるからこそ頑張れたのではと振り返る。

驚き喜んでくれた夫

 1年後、約30人いた養成所から劇団へ選出された5人の中に、庄司さんの名前があった。「最年長だった」と笑う。しかも既婚者の合格は初めてだったそうで、夫も驚きながら喜んでくれたという。

 2018年の年末にあった舞台「はだかナおうさま」では、客席で夫と母親が見守るなか初出演を果たす。「楽しくてありがたかった」。以来、東京と自宅のある奈良県を行き来しながら、昨年も2回の舞台に出演した。

 「ある程度、年を重ねると守りに入り、新しいステップを踏まなくなるけれど、やらない理由を探さないで、まずやること」と力説する。「舞台演劇は、皆でつくっていく達成感が忘れられない」といい、「子どもに向けて発信していくことで社会に貢献するのが夢」と笑顔で語った。

2020年4月25日付 770号 3面から