「生地をつなぐように多くの人たちとつながりたい」。パッチワークキルトを始めて半世紀になる名張市すずらん台東の喜多村明美さん(74)=写真=は、親しい友人たちとの思い出を残すため、作品を構成するパターン一つひとつに名前を書いてもらうタペストリーを制作、人の輪を広げている。

 幼いころから手先が器用で、中学生のころ、雑誌に掲載されていたキルト作家「野原チャック」の作品に感動し、パッチワークを始めた。市内の教室に7年ほど通い、ベッドカバーやバッグなどの制作に励んだ。

 今回のタペストリーは15年ほど前から、自宅のアトリエで作り始めた。中央に名前を記入する余白がある13センチ四方のパターンを300枚つなぎ合わせた、縦2・5メートル、横2メートルの大作だ。故人の洋服などを使って作る「メモリーキルト」をヒントにアレンジしたという。

 自宅を訪れた友人らにサインをしてもらう他、市内で開かれる展示会に持ち込み、活動を通して知り合った作家に書いてもらうこともある。

 現在、半分ほどの約150人分のサインが書かれており、喜多村さんは「いつか作品がサインでいっぱいになるように、積極的に交流の輪を広げたい」と笑った。

2020年4月25日付 770号 14面から