2020年春の褒章受章者が4月28日、発表された。長年にわたってその道一筋に励んだ人に贈られる黄綬褒章を受章した名張市桔梗が丘2の写真館経営、川地清広さん(73)は「身に余る光栄。50余年取り組んできた肖像写真の技術を認めてもらえた」と喜びを語った。発令は29日付。【愛用のカメラを手に笑顔の川地さん=名張市桔梗が丘2で】

 1877(明治10)年創業の写真館「写真の川地」の5代目。19歳で大阪の写真専門学校を卒業後、スタジオや結婚式場などでの撮影の他、同市を中心に卒業アルバムを数多く手掛けてきた。67歳の時、入院中に「ユーサフ・カーシュ」の写真集を見直したことがきっかけで「写真は光で描く絵だ」と再認識。卒業アルバムの個人写真にも、2灯のストロボの光で立体感を出すポートレートの撮影法を取り入れ、業界に新風を吹き込んだ。

 これまで数々の肖像写真のコンテストで上位入賞し、日本写真館協会副理事長や県写真館協会理事長なども歴任。全国各地から修行に訪れた40人以上に撮影技術を教え、母校でも講師として後進の育成に尽力する。

 今後については「時代に合った撮り方を追い求め、プロの存在意義を示し続けたい」と話した。

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