「大変な時だからこそ何かできることがある」と笑顔で話す、伊賀市桐ケ丘6丁目のフィットネスインストラクター、陶山美佐さん。スポーツジムなどが新型コロナウイルス感染防止対策で営業自粛要請を受けるなか、空いた時間を活用し、洗って使える、布を使ったマスク作りに励んでいる。【完成した布マスクを披露する陶山さん=名張市西原町で】

 市内外のジムや市民センターなどで指導し、トレーニングに使うため市販のマスクを持っていたが、品薄になったことで生徒たちに譲ったところ、「私も欲しい」という声が続出。困っている人、特に高齢者に届けたいと、仕事の合間に手作りしたマスクを無償で提供した。

 普段から服やかばんを作るなど裁縫が好きだったため、マスクの完成度は高く、噂を聞きつけた人たちからの要望も高まった。ジムなどが自粛休業となるなか、本当にマスクが必要な人に届けたいという思いを強め、制作に精を出した。

 生成りの生地を中心に手に入れ、好きで集めていたビンテージシーツやキャラクター生地も利用。使う人の希望に合わせ、花柄のワンポイントなどを付ける。作る前に水洗いをして乾燥させ、アルコール消毒する。ガーゼやゴム製品は品切れが続いていて入手に苦労するが、ひもを代用するなど工夫を凝らし、「天真爛漫」のスタンプを押して完成させる。

 インターネットの写真投稿サイトで自作マスクを紹介したところ、遠方からも依頼が舞い込み、1週間で約70枚を制作。材料費だけはもらうことにしたという。

 「集中して作ることでバリエーションも増えた」と笑う陶山さん。最初は30、40分かかっていた制作時間も、今では10分くらいに。手にした人は大喜びで、「それがまたうれしい」という。先行きが見通せないなか、皆の喜ぶ顔を思い描きながら、今日もマスクを作っている。

2020年3月28日付 768号 2面から