新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京五輪が1年程度の延期、全国を巡る聖火リレーも中止が決まった。約2週間後の4月9日に予定されていた伊賀地域の公募ランナー2人が3月25日、心境を語った。【練習で使ってきた模擬トーチを手に心境を語る梶谷さん=名張市赤目町長坂で】

 県内最高齢の聖火ランナーだった名張市赤目町長坂の梶谷穣さん(86)は、子ども用の金属と木製バット2本で作った重さ1・2キロの模擬トーチを手に、「非常に残念だが、世界が新型コロナウイルスに打ち勝った時、改めて開催してほしい。次も選んで頂けるなら、赤目のPRのために走りたい」と話した。30年ほど前から日課として続けている渓谷周辺の清掃とともに、練習を続けるつもりだという。

「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」の渡邉未央さん=伊賀市上野丸之内で

 伊賀市の公募ランナーに選ばれていた、伊賀流忍者博物館(同市上野丸之内)で忍者ショーを実演している「伊賀忍者特殊軍団 阿修羅」の渡邉未央さん(32)は「こういう大変な時にやるのかどうか心配だったが、延期が決まってほっとした気持ちが強い。走者に選ばれてから、何事にも目標を持って取り組む大切さを実感した。来年走ることができれば、少しでも成長した姿を見てもらえるように」と気持ちを切り替えていた。

 県によると、改めて聖火リレーの実施日程が決まった場合、現在選ばれているランナーを優先して採用する方針だという。

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