「日本酒造りのプロセスやストーリーを語っていきたい」。オーストラリアから来日した男性シェフがこのほど、伊賀市千歳の森喜酒造場(森喜英樹社長)で日本酒造りを体験した。【蒸した米を冷却する工程の作業をするライアンさん(左)】

仕込みから麹づくりまで

 この男性は、豪南東部に位置するビクトリア州ビーチワースで郷土食レストランを経営するマイケル・ライアンさん(53)。日本酒はワインと並び現地で人気だといい、自店で提供している純米酒「妙の華」の製造元である同酒造場を初めて訪問した。

 実はライアンさん、これまでに20回以上来日している“日本通”。食材を確保するだけでなく、みそやしょうゆ、豆腐、梅干しなども手作りしているという。

 2月下旬の来日時は、洗米、浸積、蒸し工程を見学し、温度管理の厳しい麹づくりを5日間体験した。

 ライアンさんは「スタッフの方々がとてもフレンドリーに接してくれた。仕込みから麹づくりまで、全ての作業で米を大切に扱い、心を込めて酒造りに励む姿に感動した」と話した。

 同酒造場の森喜るみ子専務は「オーストラリアには10年ほど前から商品を輸出している。ライアンさんには酒造りの現場を肌で感じて頂いたので、今後も日本酒の普及のために頑張ってほしい」とエールを贈った。

2020年3月14日付 767号 3面から

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