三重県は2月6日、東京パラリンピックの聖火リレーに向けて県内29市町で実施する採火式の概要を発表した。伊賀市の会場は伊賀焼窯元「長谷園」(同市丸柱)の登り窯が選ばれた。【伊賀市の採火会場に決まった登り窯と長谷社長=伊賀市丸柱で】

 採火式の日程は8月13日から16日。各市町の火には独自の名称が付けられ、伊賀市の「伊賀陶(すえ)の火」は登り窯の燃料に使うアカマツのまきから採火する。伊賀焼が国の伝統工芸品であり、同園では約40年前から知的障害がある人を雇い入れて生活指導や技能訓練などに積極的に取り組んでいる点が推薦された理由だという。

 長谷園は1832(天保3)年の創業で、採火に使われる登り窯は全長10メートル、幅3メートル。約40年前に築かれ、現在は年に1度だけ火入れをし、1点ものの酒器や花器、茶器など約300点が7日から8日間かけて焼き上げる。

 長谷康弘社長(50)は採火会場に選ばれた感想について「非常に光栄。勇気や感動を東京から世界へという思いを炎に託したい」と話した。県内各市町の火は8月16日に津市一身田の県総合文化センターに集められ、東京に出立する。

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