消費者関連専門会議(ACAP)が主催する、消費者問題についての「第35回わたしの提言」論文募集で、近畿大学工業高等専門学校(名張市春日丘7)の後藤武志教授(64)が最優秀賞を受賞した。身の回りで起きたカセットコンロの事故事例を題材に、技術者を目指す学生たちに消費者視点を意識してもらおうと、担当する授業での取り組みをまとめた内容が評価された。【亀井市長(左)に論文の概要を説明する後藤教授=名張市役所で】

 後藤教授は東北大学大学院を修了後、トヨタ自動車で37年間、サスペンションやステアリングの開発・設計などに携わってきた。退職直後の2017年4月に同校へ着任し、自動車工学を専門として、機械力学や振動工学などの授業を担当している。同社在職時以来2度目の応募となる今回の論文は、技術者の心構えを教える同校専攻科(大学3・4年に相当)2年の授業「技術者倫理」での取り組みをA4用紙8枚にまとめたもので、全国62作品から最高賞に輝いた。

 同授業は従前、「日常から離れた題材が多く、抽象論的な内容になることが多かった」といい、担当して3年目になる後藤教授は今年度、製造年代の異なる4台のカセットコンロや全国での事故事例の資料などを題材に、学生には資料調査と原因分析を中心に消費者視点から考えさせ、ヒューマンエラーを招かない初期設計の重要性などを伝えてきたという。

 1月15日に内閣府特命担当大臣名で表彰を受けた後藤教授は、2月6日に亀井利克名張市長を表敬訪問。消費生活アドバイザーという視点も交え、「定年(65歳)前の最後に賞を頂けてうれしい。学生たちが消費者視点で問題意識を自覚し、自ら考えられる技術者になっていってほしい」と思いを語った。