「道具を作る、という共通点が理由の一つかも」。家電メーカーにデザイナーとして42年間勤め、定年後に陶芸の勉強を始めた名張市すずらん台の水杉幹治さん(67)は、地元の陶芸クラブの活動などで独創的な作品を生み出している。【クラゲのランプシェードは石膏型の作品=名張市すずらん台で】

定年後に勉強

 定年を迎えた水杉さんは、陶芸の基礎を学ぶため、信楽窯業技術試験場(甲賀市)で3年間、石膏型やろくろ、土、釉薬などの研修を受けた。「たくさんの人の手を経て完成する家電を作っていたからこそ、一から全て自分の手で作り上げる陶芸にひかれたのかも」と振り返る。

 作品は、好きな映画に出てくる風景や、暮らしの中でひらめいたアイデアなどを形にする。熱中しているのは、板状に伸ばした土を組んだり張り合わせたりして多角形に成形する「たたら作り」という製法だ。五角形、八角形など、器の大きさや用途によって形を決め、ぐい飲みなど手に包み込むものは角を少なく、逆に大皿は円に近付けるために角を多くするなど、「こういう感覚が面白い」と魅力を語る。

 昨年末には、鉄や織物など趣の異なる作品との合同展示会に参加した。この遭遇は自身の創作意欲を刺激したようで、「またこんな展示会を開きたい」と意欲的。1月26日から桔梗が丘市民センターで開かれる「桔梗が丘陶香クラブ」の展示会にも出品予定で、「将来はセラミックデザイナーとしてプロになるのが夢」と瞳を輝かせている。

2020年1月11日付 763号 6面から