「1日も早く試合に出て、チームの勝利やJ1昇格に貢献できるよう、全身全霊で頑張りたい」―。サッカーJ2・レノファ山口FCのユース(U18)に在籍する、名張市桔梗が丘出身で野田学園高校(山口市)3年の伊東稜晟君(18)がトップチームに昇格した。地元を離れて3年、思い描いていた夢をかなえ、Jリーグでの第一歩を踏み出した。【昨年10月のJユースカップ1回戦・塩釜FC戦でプレーする伊東君=山口県山陽小野田市で(レノファ山口FC提供、2枚とも)】

ユースで成長「ここがスタート」

伊東稜晟君

 幼少時、父が買ってくれたボールを蹴り始め、桔梗が丘南小時代は蔵持FC、北中時代はFCアヴェニーダソルで、主にサイドバックなどでプレーした。中3時の高円宮杯県大会の決勝でゴールを決めて優勝を経験し、「達成感やチームの結束を強く感じた」という。

 進路を考え、さまざまなチームのプレーを知るなかで、全員でパスをつなぎ、相手を崩してゴールに向かうレノファのスタイルに魅力を感じ、「このチームで絶対プロになる」と心に決めた。ピッチではディフェンダーとして、副キャプテンとして、特に選手間のコミュニケーションを学んだといい、「人として成長できた」濃密な3年間を過ごした。

地元で祝福も

 昨年3月、トップチームの試合に出場可能な2種登録を経て、9月には、2014年に発足した同クラブのユースで初のトップ昇格が決定。地元のサッカー仲間からは祝福の声だけでなく「まだスタートライン」「ここからが勝負」と背中を押された。

 J2昇格後4シーズン目の昨季のチーム成績は13勝8分21敗で22チーム中15位。2シーズン在籍し、昨季で引退した四日市中央工業高出身の坪井慶介さん(40)は、同じDFで理想とする選手。サッカーへの熱意や試合に臨む準備など、長年トップレベルでプレーしてきたベテランの姿を間近で見て刺激を受けた。また、同郷のMF佐藤健太郎選手(35)とは、サッカー談義だけでなく地元の話にも花が咲くという。

 実戦デビューを控え、「昇格したことに満足せず、目標を高く持って上を目指していきたい。地元の皆さんに愛される選手になれるように日々成長できれば」と意気込みを語り、地元の子どもたちへ向け「夢に向かって何事も全力で頑張ってほしい」とエールを送った。オレンジ色のユニホームに背番号「41」を背負い、ピッチで躍動する姿が、もうすぐ見られる。

2020年1月11日付 763号 1面から

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