10月に関東地方に上陸した台風19号で甚大な被害を受けた栃木県栃木市へ7日間派遣され、ボランティアの受付業務や支援ニーズの調査などに従事した、名張市社会福祉協議会職員で社会福祉士の的塲栞那さん(23)(同市安部田)が、現地での業務や被災地の様子などを語った。【栃木市内で活動する的塲さん(右端)(提供写真)】

「今後生かしたい」

 県南部に位置する人口約16万人の栃木市では、2700戸以上が全半壊し、死者も出た。近隣自治体も被害が大きく、現地では人手が確保できないため、今回東海ブロックの社協から交代で職員が派遣されている。的塲さんは11月13日からの第5クールに参加した。

 ボランティアの支援が入った家へ、その後の様子を聞くため電話を入れたり、各戸を回って、支援ニーズを問うちらしをポスティングしたりするなかで、「助けを必要としているはずなのに、年配者を中心に支援の手を遠慮される方もいて、困りごとが表に出にくいケースもあった」と振り返る。

 床上浸水した世帯では、アルバムが水に浸かってしまい、「思い出が全部見られなくなり、とてもつらい」と話す高齢者の話も聞いた。現地では家の片付けをしている人が多く、家具などの片付けに追われて疲弊した姿を目の当たりにし、「まだまだ支援が必要」と感じたそうだ。

 的塲さんは「災害が起きた時、ボランティアセンターの職員としてどう対応したらいいかを学べた。名張での今後の仕事に生かしたい」と話した。

2020年1月11日付 763号 6面から

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