身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。2020年も伊賀地域の各地を巡っていきます。今回は、伊賀市のJR関西線・佐那具駅から南東方面に約10・5キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真(左から)鶴喰池、新池、桝池が広がる=伊賀市西之澤で】

 好天に恵まれた12月20日、午前9時20分に佐那具駅前をスタート。柘植川を渡る橋の上は冷たい風が吹き、強風のため上流へ向かって波が立っています。大和街道を過ぎ、府中神社の脇を通って国道25号へ。ここから約700メートルは昨年10月に開通したばかりで、これから向かう大山田方面とのアクセスが良くなりました。

 名阪国道をくぐって坂を上がっていくと、階段状に続く池があります。地図によると、手前から今池、真菰(まこも)池=上写真、万吉池と並んでいます。カモのつがいでしょうか、水鳥が潜ったり風に身を任せたりしていました。

住宅地と工業団地も

 池が視界から外れ、峠へ向けて上がっていくと、日差しもあってか汗が流れ始めました。下りに変わると汗もすぐ引き、千戸の大沢団地(上野東ニュータウン)が見えてきました。住宅地の入り口には、空き缶で「スピードダウン」の文字をかたどったフェンスが目を引きます。

団地内で咲くツバキ

 軒先で咲く紅白のツバキを眺めながら住宅地を横断し、隣接する工業団地を通り抜けます。大型車が頻繁に通るので、歩行者は注意が必要です。「ノハナショウブ群落」の看板を横目に、工業団地の外れから林の中の小道に入っていきます。記者に気付いたのか、スズメの群れが忙しく木に飛び上がりました。

 林を抜けると、左手に2つ、右手に1つ、現れたのが通称「三ツ池」。鶴喰池、新池、桝池という名称のようで、鶴喰池では十数羽の水鳥が思い思いに羽を休めています。ほとりの滝川浄水場の脇には「鯉をとる堤能(の)上の 大焚火 稲聲」と記された句碑がありました=下写真

 池の堤を下りると、行く先の田に数十羽のトビが並んでいました。猛禽類がこれほどたくさんいる状況に遭遇したことはなかったとやや驚きながらもシャッターを切りました。トビの群れ越しに見る霊山は、真西から見ると大きな1つの岩のようにも見えました。

飛び立つトビ。周辺の田には数十羽の群れも

 川西の集落へと進み、「山の神」と思われるほこらに立ち寄り、今度は川西青葉台の住宅地を抜けて名阪沿いへ。ガードをくぐって西之澤の集落へと進み、約1年前にも通った道を西へと向かいます。国道25号は最初、ポールで区切られた路肩しか歩くところがありませんでしたが、途中から歩道になりました。

 佐那具町の集落内を通る細い道を抜け、出発から2時間半余り、正午ごろに佐那具駅前へ到着しました。歩数計は1万3152歩でした。今年も、まだ訪れていない場所を探し、歩いているからこそ分かる地域の魅力を紹介できればと考えています。