2020年の干支は「子(ね)」。十二支は、方角や時刻、暦などを表す方法としても古くから用いられ、「子」は北の方角や12時(0時)前後を指す。【温泉に程近い子延口のバス停。待合所には「ねのび」の文字=伊賀市上阿波】

 伊賀市の東部、大山田地区の上阿波には「子延(ねのび)」という60軒ほどの集落がある。郷土史に詳しい人によれば、地名の由来は諸説あり、いずれも暦や方角に関するものだという。

 暦の上で「子の日」に祭りや行事が行われていたという言い伝えや、伊賀街道の宿場だった平松宿(同市上阿波)、新大仏寺(同富永)から見て集落が北方に延びている、という説もあるそう。「大山田村史」の1700年代の資料には「子ノ日村」「子日村」の名称が登場している。

 子延から名阪国道方面へ続く県道の東側には「大山田温泉さるびの」があり、公民館付近では、約30年前から住民らが地域のシンボルとして修理・新調を重ねてきた3代目の水車が回っている=右写真。

2019年12月21日付 762号 12面から

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