労働者や事業所の安全意識高揚などを目的とした、製造業向けの「機械による労働災害防止研修会」が名張市八幡の「ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン」で開かれ、伊賀地域の29事業所から安全担当者ら35人が参加した。

 伊賀労働基準監督署が管内の事業所を会場に、伊賀地区製造業安全衛生協議会の協力で毎年実施している取り組み。11月28日の研修会では、最初に県内の労災事故や死傷者数の現状について説明があり、同署の久保田洋一署長は「『チャレンジアンダー210』(休業4日以上の労働災害210人未満)達成のため、ゼロ災害を目指し、おのおのの職場に応じた安全対策を講じてほしい」と呼び掛けた。

 同社工場内を視察した参加者たちは、業務改善のための気づきや提案などが書き込まれたボード、事故発生時の程度別の連絡体制表、負荷軽減のための改善提案で生まれた機材などを見て回った他、外国人を雇用する際の言語面の対応や、工場内の熱中症対策などについて、同社工場の担当者へ積極的に質問していた=写真。

 座学では「小さな災害の芽を摘むことが大災害を防ぐことにつながる」として、負傷しないための設備面の工夫、企業としてのルール作りや従業員教育などが強調された。参加したプラスチック製品製造会社勤務の男性は「さまざまなアイデアや取り組みに触れ、自社でやっている工夫を少しでも良いものにしたいと感じている」と感想を話した。

2019年12月21日付 762号 11面から

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