いよいよ2019年の締めくくりです。今回は、伊賀市大山田地区の中央に位置する布引地区を中心に約9・4キロを歩きました。(取材・山岡博輝)【写真1枚目=旧布引小学校跡地に立つ大木】

 12月5日、午前9時すぎに市大山田支所前を出発。雲は多いものの晴れ間がのぞいています。この日の伊賀市の最低気温は1・4度と冷え込み、服部川を渡ると水音がとても冷たく感じられました。東に折れると、青山高原の風車群に朝日が当たっている様子が望めました。

 出後の集落内や田畑には、あちこちに「火とぼしの里いずご」の看板が。大豆やホオズキの株が並んだ畑、鈴なりに実ったキンカンの木なども見られました。集落を北から南に抜け、公民館と萬像寺の間を東へ。出後橋を渡ると国道163号に出ました。

服部川に架かる廣瀬橋から下流を望む。右岸に川北の集落、左岸に桜並木

服部川から馬野川沿いへ

 中村の集落を左手に見ながら、工務店や製材所が並んだ辺りを進んでいると、「どこまで歩くの?」と声を掛けられました。道路脇の柿の木や軒先のツバキを眺めながら、再び国道へと戻りましたが、細い歩道は草むして通りにくそう。服部川ではサギやカワウなど、岩の上ではセキレイが羽を休めていましたが、カメラを準備する間に飛び立ってしまいました。

 川北の集落に入り、歩道はポールで車道と区切られただけなので、前後に注意深く目を配りながら進みます。出発から約1時間、信号交差点から県道伊賀青山線へ折れると、今日のゴール地点・坂下集落にある「酒解神社5キロ」の看板が目に入りました。西側にある広徳寺の周囲の木々が丸く見え、打ち上げ花火が並んだように感じました。

忠魂碑へと続く、一面イチョウの坂道

 いよいよ赤みが増してきたカラスウリ、露でキラッと光るススキなどを横目に、馬野川沿いの山深い道を上っていきます。採石場を過ぎて林間を抜けると奥馬野の集落へ。ここのバス停の名称は「下馬野」。地区市民センターやライトピアおおやまだは、1964年に閉校した旧布引小学校の跡地付近にあるようで、多くの子どもたちの成長を見守ってきたであろう大木がそびえていました。

馬野川沿いに続く奥馬野の集落

 道端にある忠魂碑入り口の坂は、黄色のイチョウの落葉で埋め尽くされ、晩秋を実感。馬野渓谷や青山高原の方角へ続く集落を歩き、奥まったところにある林渓寺で小休止。今度は鈴なりのユズも目を楽しませています。県道へ戻り、中馬野の集落を右手に見ながら坂を上っていきました。

木津川水系の坂下へ

 道は大きく右手に折れ、木々の間から中馬野集落の屋根が見えます。上りきった辺りでは、まぶしい木漏れ日の中をイチョウの葉が舞い落ちていました。朽ちかけたアケビの実が転がり、「木津川源流」の看板を横目に、出発から約3時間、名の通り坂を下ったところにある坂下の集落へ着きました。

酒解神社の手水は青竹からしたたり落ちる

 帰路の行政バスの発車まで約30分。集落をぐるりと一周し、安産と酒造の神という酒解神社などを見て回りました。花壇がクリスマス仕様に飾り付けられたバス停脇の待合所で暖を取り、午後0時半発の行政バスに乗車。ここまでの歩数は1万6997歩でした。

坂下のコミュニティホール前の花壇はクリスマス仕様に飾られていた

 運転士の男性と話しながら、バスは歩いてきた道を戻っていきます。冷えた体が少しずつ温まり、眠気も催してきましたが、先ほど見た景色を逆から眺めながら、30分ほどで大山田支所前へ帰着しました。来る2020年も、身近な地域のさまざまな表情、風景をご紹介します。