名張市の総合防災訓練が11月16日、市内の各地域であった。市消防本部や各市民センターなどで地震や風水害を想定した訓練があり、市危機管理室によると市民ら4万7500人が参加した。【市防災センターであった、災害対策本部運営の訓練=名張市鴻之台1で】

 訓練では、局地的豪雨で河川の水があふれる危険の中、南海トラフを震源とする最大震度6強の地震が発生したと想定。市防災センターでは災害対策本部の設置や全市職員の安否確認、災害情報の伝達、関係機関や各地域組織との連携など確認した。市内の各地域では、住民の安否確認や避難所開設の訓練などがあった。

伊勢湾台風の体験語る催しも

 箕曲地域では、1959年に大きな被害をもたらした伊勢湾台風の体験を語る講演会も開かれ、避難訓練を兼ねて箕曲小学校(夏見)に集まった児童や住民ら約350人が耳を傾けた。

伊勢湾台風のパネル展示を見学する児童ら=同市夏見で

 当時12歳で被災した栗田隆之さん(72)は「自宅は1メートルほど床上浸水し、2階に逃げた。水がどこまで上がるかわからない恐怖を感じた」、13歳だった川口秀憲さん(73)は「言い伝えで、濡れて困るものは高い所に上げていた。支援の無い中、自分たちで泥を掻き出す作業が大変だった」と語った。

 その後、津地方気象台の黒川美光台長が台風の構造や気象情報の見方などを解説。会場に用意された伊勢湾台風のパネル展示では、並べられた当時の写真に驚く児童らに、地域の大人が「何が起こるか分からない。自分の身は自分で守らな」と諭していた。