強盗事件を想定した防犯訓練が11月13日、伊賀市上野丸之内の東海労働金庫上野支店(小山等支店長)であった。ボーナスの支給など多額の現金が動く年末を控え、参加した職員たちが発生時の対応力と防犯意識の向上を高めた。【訓練に参加した職員と犯人役の署員=伊賀市内で】

 訓練は、拳銃とナイフを所持した2人組の犯人が店内に押し入り、現金を強奪して車両で逃走するという想定で実施。同支店の職員8人と伊賀署員5人の計13人が参加した。

 犯人は頭と顔を帽子やサングラス、マスクなどで覆い、窓口にいた女性職員にメモを無言で手渡すと、持っていたバッグをカウンター越しに投げ入れて現金500万円を要求。「モタモタするな」などと叫びながら模擬拳銃で威嚇発砲し、バッグを受け取ると乗り付けた車で走り去った。

 その後、非常通報で駆け付けた警官がけが人の有無や発生時間、犯人の特徴、車種、逃走方向などを聴取。訓練終了後、犯人役の1人が女性署員だと分かると、驚く職員もいた。

 講評では、生活安全課の橋本正興課長が「先入観から『犯人は男2人』と伝えてしまうと、捜査に影響が出る。素手でカウンターを触っていたら、鑑識活動のために現場保存を。危機意識と腕章など目立つ警戒、店内外の点検、防犯マニュアルの確認などを心掛けてほしい」と話した。

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