縁もゆかりもない500㌔以上離れた宮崎県西都市から突然郵送された納税通知書――。伊賀市が誤って送付した戸籍書類で、市内に住む女性(64)が見知らぬ他人の財産の相続人にされ、固定資産税を納めるよう求められ、更に別の相続人全員の名前を始め、地番や土地家屋の評価額、田畑や山林を含む資産状況などの個人情報が漏れるトラブルが起きた。担当者が名前と生年月日で検索し特定していれば起きなかったミスだが、問題の発覚で市のずさんな情報の取り扱いが改めて問われそうだ。【誤って女性に届いた西都市からの納税通知書のコピー(写真の一部を加工しています)】

ずさんな取り扱い 個人情報が漏えい

 封書が届いたのは10月18日。女性は全く心当たりがなく、架空請求詐欺も疑ったが、問い合わせた西都市の担当者は「間違いなく相続人です」と答えたという。

 女性は突然舞い込んだ納得できない状況に困惑した。21日に相続人でないことの証明にと、両親と自身の戸籍情報を取り寄せ、家族が再度西都市に問い合わせた。

 担当者とやり取りを続けるなか、今年1月に伊賀市が送付した書類の中に、相続人となる同姓同名の別人に関する戸籍情報が混ざっていたことが発覚。西都市が女性の現在地を記載した資料に基づいて納税通知書を送付したことを認めた。

 同市は女性に対して24日付で「固定資産税の通知誤り」というお詫び文を送付。YOUの取材に「発端は伊賀市から送られてきた情報の誤りからだが、当市としても送付すべき相続人の本籍地を確認していなかったのも一因」と答えた。

「余りに無責任」

 伊賀市がミスを把握したのは女性が西都市のお詫び文書を手に再訪した29日。翌30日に戸籍住民課の課長らが女性の自宅を訪問し、直接謝罪した。

 伊賀市によると、対応した職員は当時、名前だけで検索していた。トラブルに巻き込まれた女性は「余りに無責任な仕事にあきれる。いい加減な行政間のやり取りで不安にさせられ、知らない人の相続人になるところだった。同様のトラブルは他にも起きているかもしれない」と話した。