伊賀市消防本部は10月9日、内示前の人事異動案をスマートフォンで撮影し、インターネットの無料通信アプリ「ライン」で同僚らに情報を拡散させたのは地方公務員法違反(信用失墜行為の禁止)にあたるとし、男性消防司令補(45)を減給1か月(10分の1)、男性消防士2人を戒告の懲戒処分にしたと発表した。情報の提供を依頼するなどした職員や当時の上司ら計18人も訓告や文書で厳重注意した。記者会見で中森宏悟消防長が再発防止に努めると陳謝した。

 消防本部によると、今年3月17日の夜間勤務中に消防救急課に当時所属していた消防司令補から前消防長が作成した同月25日に内示される人事異動表が消防長室にあると聞き、中消防署所属だった消防士(23)が休憩時間中に同僚の消防士(25)と室内に入り、スマホで撮影。ラインに送信し、情報が一部の職員間に拡散した。関与を否定していた消防司令補も同月15日ごろ、人事異動表を携帯電話のカメラで撮影したことを認めた。

 4月3日に 消防本部が把握した後、職員にアンケートや聞き取りの調査を実施。その結果、内示前にアプリを通じて人事案の情報を知っていたのは全職員179人のうち約10人で、「見たことがある」や「噂で聞いた」などと答えた職員を含めると70人いた。出入りが自由だった消防長室は4月以降、不在時に施錠しているという。

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