実母の他界を機に、年老いた父を助けるために警察官を辞め、伊賀市平田にある実家の理容室「ヘアーサロンイナモリ」を継いだ、松阪市在住の中川律子さん(57)。「人と触れ合い、相手を思いやる気持ちは警察官と共通」と、笑顔を絶やさず仕事に励んでいる。【家業を継いだ思いを語る中川さん=伊賀市平田で】

 高校卒業の数年後に警察官となり、約30年間、四日市、津、松阪、伊勢など県内各地で勤務してきた。しかし、7年前、母の蓉子さんが亡くなり、「一人になった父を思うと、職場で自分の代わりは何人もいるが、娘の代わりは私しかいない。理容師になって家業を継ごう」と決心した。

 50歳を過ぎてから理容学校に通い、自分の子どもとほぼ同年代の講師から学び、見事1回で免許を取得。県内の理容店で見習い修行をしながら、自身の技術を高めていった。

家族の理解

 週5、6日ある営業日は自宅から店まで車で通う。もちろん家族の理解があってのことで、家業を継ぐことについても反対はなく、子どもたちからも「おじいちゃんを助けてあげて」と後押しがあったという。

 最近は店の一角に女性専用エステコーナーも設けた。「肌の若返りは心の若返りにつながる。これからももっと技術を高め、お客さんに喜んでもらいたい」と笑顔で語った。

2019年8月10日付 753号 2面から