伊賀市奥馬野で建設が進められていた「馬野川小水力発電所」が完成し、8月下旬から稼働する予定だ。同地には1958年まで約40年間操業していた水力発電所跡があり、民間主導のプロジェクトで約60年ぶりに復活した。近隣地域には風力やバイオガス発電所もあり、再生可能エネルギーの学習スポットとしても期待されている。【発電機について説明する松崎社長=伊賀市奥馬野で】

取水口と発電所とを結ぶ約1キロの導水管(提供写真)

 「大山田村史」によると、かつて同地にあった伊賀馬野川水電は、100年前の1919年から、出力約60キロワットの水車で発電。当時、近隣の3村(布引、阿波、山田)に電力を供給していた。

 再生可能エネルギー分野への事業参入を模索していた地元の土木建設会社「マツザキ」(同市下阿波)が小水力発電所の適地を探す中で旧水電の歴史を知り、2013年に復活プロジェクトを発案。三重大と発電システムの共同研究や、行政機関との調整などを経て、18年6月に着工し、約1年の工期で完成。

 復活した発電所は、標高約460メートルの取水口から全長約1キロ、直径約50センチの導水管を経て、約77メートル下にある発電所に水を流し込み、水車を回すことで電気を生み出す仕組み。年間発電量は一般家庭260軒分に相当する95万キロワット時で、中部電力に売電して総事業費3億7千万円を約18年かけて返済する他、収益の一部は地元協議会と相談し、地域の環境整備などにも充てるという。運転は子会社の「みえ里山エネルギー」が担う。

山の斜面に設置された導水管(同)

 8月1日にあった竣工式には工事関係者ら約50人が出席。松崎将司社長(42)は「先人に習い、地域資源の恩恵を地域に還元していきたい。長く愛されるようしっかり運営したい」と抱負を述べた。

2019年8月24日付 754号 6面から