蒸気機関車(SL)のナンバープレートや安全弁、腕木式信号機の部品、国鉄時代に使われていた懐中時計、駅名標、制服、制帽など――。鉄道が好きで国鉄(現JR)に就職し、40年余り勤務してきた伊賀市島ヶ原の大矢繁さん(68)の自宅の8畳間には、これまでに集めてきた鉄道グッズの数々が所狭しと並べられている。【収集したグッズの数々を紹介する大矢さん】

 生まれ育った島ヶ原は「鉄道村」と呼ばれるほど、人口に占める国鉄・JRの職員が多く、大矢さんの祖父も父も国鉄職員だった。かつては関西線を走るSLの姿も日常で、中学時代に列車の写真を撮り始め、高校時代は鉄道模型に夢中に。大学卒業後に国鉄へ就職し、関西圏の駅に約20年勤めた後、旅行センターなどに移った。

 多岐にわたるグッズは、即売会や鉄道関連のイベントなどに遠近問わず足を運び、収集してきたものが中心。単線区間で信号の代わりとして使われていた通票(タブレット)、列車の先頭や側面に取り付ける行先表示板、特急列車の運行開始時や周年行事で販売される限定グッズなど、枚挙にいとまがない。

 10年ほど前に自宅を改修した際、グッズを展示するスペースを設けた。70歳になれば「仕事を辞めて、まちかど博物館として公開したい」と計画し、地元の駅舎の清掃などに取り組む国鉄・JRのOB会にも参加したいと考えているそうだ。

2019年7月27日付752号3面から

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