伊賀流忍者博物館(伊賀市上野丸之内)の伝承館で、武士や忍びの間で信仰された摩利支天が本尊の「忍者曼荼羅図」が展示されている。不動明王を中心にした「仁王経曼荼羅図」と一対の作品で、伊賀市槙山の京仏師、服部俊慶さん(72)が2年がかりで構想、制作した。【忍者曼荼羅図(左)と仁王経曼荼羅図を見る制作者の服部さん】

忍者曼荼羅図の正式名称は「摩利支天曼荼羅図」。いずれも縦横約1・2メートルの絹布製。服部さんの地元にある若王寺跡に摩利支天の像が眠っているという伝説の話を聞いた伊賀上野観光協会が「地域の観光振興に生かしたい」と制作を依頼したのがきっかけで、服部さんが同協会の阿山支部長を務めていることもあり、実現した。制作費約125万円は市の補助金を活用した。

 服部さんによると、摩利支天は忍者らが戦や密命などの前に加護を祈ったとされるのに対し、仁王経は国家や国の安泰や国民の幸せを願っているという。忍者曼荼羅図は服部さんのオリジナルで、摩利支天の出現で引き寄せられた修験道の役行者など周囲にたくさんの神仏が描かれている。川口正仁館長(65)は「曼荼羅図に描かれた神仏をまつる寺院を巡るツアーやグッズ販売も企画したい」と話す。