人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」作りに夢中なのは名張市桔梗が丘1番町の美容師、木平臣代史さん(49)=写真。店舗奥の一角に設けた2畳ほどのスペースにはアニメに登場するモビルスーツと呼ばれる有人操作式ロボット兵器の精巧な模型がずらりと並ぶ。

はW杯

 幼いころから、小遣いを握りしめ、おもちゃ屋でプラモデルを買い、制作に没頭した。小学高学年のころからガンプラを作り始め、中学卒業まで続けた。

 高校に入学すると一転、ファッションや音楽に興味が移り、卒業後は、自動車のドレスアップに凝るようになった。各地のイベントにも参加し、専門雑誌にも紹介されるなど、「とことんこだわった」そう。

 転機は結婚。家族を持つことで「手軽な趣味」に変化し、10年ほど前からガンプラ熱が再燃した。精巧さが増し、大人でも充分楽しめる模型になっていたのも理由の一つだ。

 制作は仕事を終え、子どもが寝た夜に取り掛かる。作業環境を整え、整理整頓された中での作業を心掛けているといい、整った環境が発想力を生むそう。

 組み上げるだけなら数時間から半日で完成するそうだが、一つひとつのプラスチックパーツの整面処理や塗装も含め、数か月かけて作る模型もある。豊富なマテリアル(素材)と吟味して選んだ専用のツールを駆使してオリジナリティーの表現にも力を入れているそうだ。

 販売元のバンダイが毎年開く制作技術や表現力などを競うガンプラの世界大会「ガンプラビルダーズワールドカップ」に「出場するのが夢」と話す木平さん。家族の応援を背に、今日も“夢の空間”で目を輝かせている。

2019年6月22日付750号3面から

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