認知症を患った母を世話するため、59歳で介護の仕事に就いた、名張市桔梗が丘南の大月直美さん(63)=写真。働き始めた直後に母が亡くなり、一時は目標を失いかけたが、「母が導いてくれた」という介護職を続け、猛勉強の末に今年1月の介護福祉士国家試験に見事合格した。

猛勉強で国家試験合格 63歳で介護福祉士に

 元は物流関連の会社に勤めていたが、8年ほど前、母・鳩山トキ子さんがアルツハイマー型認知症を発症し、大月さんが介護をするようになった。しかし、認知症の症状にどう対応すればいいか分からず、大月さんは軽いうつ状態に陥ってしまう。

 そんな中、トキ子さんの健康状態が悪化。介護する側の負担も大きくなってきたため、ケアマネジャーと相談し、施設への入所を決めた。入所後、気兼ねなく過ごすトキ子さんの喜ぶ姿を見て、大月さんは「自分で母の世話ができるようになりたい」と考え、介護施設で働き始めた。

「一人ひとりに寄り添いたい」

 しかしその1か月後、トキ子さんが死去。介護の仕事を辞めようとしていたが、周囲の温かい励ましもあって仕事に復帰し、「介護についてより深く理解したい」と介護福祉士を志した。求められる科目数の多さに驚きながらも何冊もノートにまとめ、学習内容をポスターの裏に書いて部屋に貼るなど、工夫を重ねた。

 新たな一歩を踏み出した大月さんは「介護はコミュニケーションが大事。母を介護した経験を生かし、一人ひとりに寄り添える介護福祉士になりたい」と思いを語った。

2019年5月11日付747号6面から