「ここを中心に地元の情報発信をしていければ」。今年1月、伊賀市上野恵美須町にゲストハウス「アインス伊賀」を開設した中野祐希さん(23)。7年近く空き家になっていた祖父母の住居兼店舗を改装した施設で、利用者も増え始めている。【ゲストハウスの玄関に飾られた世界地図などを指す中野さん=伊賀市上野恵美須町で】

 きっかけは「空き家を何かに利用したい」という父公靖さん(62)の思い。中野さんは旅行などでの体験を基に、昨年夏からゲストハウス開設へ向け準備を始めた。

 完成した施設は、1階に交流スペースとキッチン、相部屋のドミトリーが8室。2階には和室と洋室の個室を設けた。「交流」が主目的なため、あえてテレビは置かなかったという。パンフレットなども自分で作り、壁には祖父が趣味で描いてきた油彩画約30点を飾った。

 ドイツ語で「1」を意味する「アインス」の名を冠し、1が並んだ今年1月11日に開設。初の利用者はオーストラリアの男性2人組で、偶然にも近くの恵美須神社の「初ゑびす」の日と重なり、伊賀での滞在を楽しんでいたという。

 夜の泊まりの仕事は公靖さんにも協力してもらうが、掃除から洗濯まで一人でこなす中野さん。今ではフランスやフィンランド、中国からの観光客に加え、里帰りした地元の人の利用もあるそうだ。

 チェロ奏者でもある中野さんは「いずれは交流スペースで演奏仲間とライブもできたら」と目を輝かせている。

2019年4月20日付746号21面から