梅雨や台風のシーズンを前に災害警戒場所の合同実地踏査が4月24日、伊賀市の上野遊水地であった。国土交通省木津川上流河川事務所の職員から説明を受けた後、参加した地元の警察や消防、県市の担当者ら約20人が河川の整備状況を点検し、通報体制を確認した。【小田排水門の前で遊水地の説明を受ける西久保署長(左から2人目)ら=伊賀市小田町で】

 1969年に事業着手した上野遊水地は市内を流れる服部川と木津川の洪水調整施設で、2015年に完成した。全体の広さは新居と小田、長田、木興の4地区で計約250万平方メートル、貯留できる総容量は900万立方メートルとされる。

 この日参加者が見学した現場は同市小田町にある小田遊水地で、洪水終期に水位の低下に応じて溜まった水を河川に戻す排水門(地上13メートル)の上部から遊水地全体を見渡した。

 伊賀署の西久保陽署長は「初めて見るので非常に参考になった。遊水地には多くの民有地があり、住民の協力無くしては成り立たない。これまで水害対策のイメージは海沿いにある自治体のイメージが強かったが、認識を新たにした」と話した。

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