名張市教育委員会は、上小波田地区で受け継がれる「火縄づくりの製作技術」を市無形民俗文化財に指定した。市指定文化財78件のうち、無形民俗文化財は3件目で、八幡神社(滝之原)の若子祭以来49年ぶり。【火縄の束を手にする岩嵜会長(右)と上島教育長=名張市鴻之台1で】

 火縄づくりはマダケを材料に節と節の間の木質部分をなたでひも状に削り、干した後に縄に形成する。昨年12月には京都の八坂神社に3・3メートルの火縄千本を奉納し、同神社の年越し行事「をけら詣り」で使用された。

 同地区の火縄づくりはもともと、農閑期の副業として始まり、江戸期は火縄銃、明治以降は寺社の行事などで使われてきた。しかし、高齢化や後継者不足で生産者が1人にまで減少したため、2016年に岩嵜義孝会長(70)ら地域の6人が「上小波田火縄保存会」を設立し、技術の継承を進めてきた。【なたで竹を削る作業(2017年撮影)】

 同市役所で上島和久教育長から指定書を受け取った岩嵜会長は「機械を使わず手作りする火縄は、火の持ちが違う。38歳の息子にも技術を伝えたい」と話した。