神戸市などによる官民共催の音楽オーディション企画「Battle de egg2019」で、名張市百合が丘東在住の中井雅也さん(24)がドラムを務める3人組バンド「kasa.(カサ)」がグランプリに輝いた。受賞後には、サポートするレーベルやライブハウスなどの協力を得て、数多くの音楽イベントなどへの出演が控えている。【トロフィー、盾などを手に歓喜する中井さん(左)ら(提供写真)】

 結成は2017年8月。それまで在籍していたバンドを解散した「masayan」こと中井さんと、ベースのKomiya ryoさん、ボーカルのrui ogawaさんが名古屋市内のライブハウスで出会う。共通する音楽性だけでなく、互いに気心も知れて意気投合し、活動をともにすることを決めた。

 「あなたに寄り添う傘でありたい」というメンバーの願いから、「傘」の名前で活動を始め、18年6月に改名。3人の〝キャッチボール〟で出来上がっていく音楽は、目には見えない心の奥や秘めた思いを表現する独自の世界観を持つ。結成以来、楽曲制作やライブ活動と並行してオーディションを幾度も受けてきた。

 同企画は、今回から音楽レーベルの「ワーナーミュージック・ジャパン」、神戸市のライブハウス「太陽と虎」がバックアップ。音源審査やリスナー投票を経て選ばれた20組がライブ審査で6組に絞られ、今年2月にあった最終ライブ審査でグランプリに選ばれた。

 「仕事を辞め、音楽1本でやっていこうと決めた矢先の受賞だったので、もうこれは、やるしかない! 流れをつかむぞ!と思った。それまで心配していた両親がとても喜んでくれて、うれしかった」。中井さんは熱い胸の内を語る。【最新のCDをPRする「masayan」こと中井さん=名張市百合が丘で】

 今後は同レーベルからの楽曲配信の他、同ライブハウスの支援を得て「COMING KOBE19」「ネコフェス2019」などの主要音楽イベント、「TOKYO CALLING」などのサーキットイベントへの参加も控える。

 これからは名古屋を拠点に音楽活動が本格化する。中井さんは「たくさんの人に出会い、たくさん刺激を受けると思う。自分たちらしさを大切に、たくさんの人に『kasa.』の音楽に触れてほしい」と思いを話した。

2019年3月23日付744号1面から

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