伊賀市は3月19日、広島に投下された原子爆弾で被爆した樹木「アオギリ」の種から育てた苗木を市役所本庁舎(四十九町)の北側駐車場に平和の象徴として植樹した。式典には近くの園児や非核平和推進事業で広島市に派遣された市内の中学生らも参加し、大きく育つよう願って水やりをした。【アオギリの苗木に水をやる園児たち=伊賀市で】

 アオギリの親木は爆心地から約1・3キロ離れた旧広島逓信局の中庭で被爆。幹の半分が熱線と爆風で焼けてえぐられたが、再び芽吹いて市民に生きる勇気と希望を与えた。大きさ約50センチの苗木は親木の種から発芽したものだという。

 式典では岡本栄市長と岩田佐俊議長、笹原秀夫教育長、人権擁護委員協議会の森下政實会長が平和への願いを発表。市立しろなみ保育所(久米町)の年長児13人が歌を披露した。

 市人権政策課によると、広島の被爆アオギリ2世と長崎の被爆クスノキ2世の苗木は、非政府組織(NGO)の「平和首長会議」(会長・松井一實広島市長)を通じて18年3月現在で31都府県94自治体に配布。同市では15年度に寺田市民館(寺田)がアオギリの苗木を受け取っている。

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